早速遊んでみよう

 この後のスタートシナリオは4〜5人程度でのプレイを想定しています。
 最低でも2人以上で遊ぶことが好ましいです。
 このゲームを遊ぶには紙とペンとトランプが必要です。
 早ければ5分程度でゲームスタートできます。
 一人はキャラクターを持たず、ゲームの登場人物などを演じる進行役を務めてください。
 この進行役の事を「ゲームマスター」と呼びます。(本書内では省略して「マスター」と記述していることがあります)
 この本の目次は巻末にあります。

キャラクターの作成

 神様は下界で活動するために「アバター」と呼ばれる仮の肉体を使います。
 プレイヤーはまずアバターを次の4種類から一つ選んでください。
 まずは各アバターの特徴を読んで自分が演じてみたいキャラクターを選ぶとよいでしょう。
 スタートシナリオは遊びながらゲームを覚えるよう作っているので今の時点でルールを完全に理解している必要はありません。
 始めは一種類のアバターで固めるより複数の種類を分担してパーティを組むことをお勧めします。

※キャラクターの能力項目の説明は以下の通りです。
 『EP:アバターの体力であり攻撃力』
 『手札上限:保持できるカードの数』
 『スート:相性のいいカードのマーク』
 『SEP:プレイヤーの真の生命力、アバターを失ったときなどに必要』

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獣神:

 常識を超えた能力を持った動物達です。モチーフには好きな動物を選ぶとよいでしょう。
 獣の本来の姿と、二足歩行ができ手が使える人型の姿を使い分けることができます。
 戦いが得意で能力のバランスが良いため比較的扱いやすいアバターです。
 このタイプは「ホルス神」などエジプト神話の神々が有名です。

 高い身体能力、動物との会話などの演技が可能です。

 EP:3000 手札上限:3枚 スート:クラブ 
 SEP:5000  特性「渾身


偉人:

 人間の姿の神様です。「仙人」や「法皇」など文化によりその在り方は様々です。
 戦闘能力が低い代わりに探索に秀でたアバターです。
 序盤の成長が早いことも特徴です。
 人間の文化や知識に最も通じており、人間の文化にまつわる様々な判定に有利な修正を得ることができます。
(たとえば建築や医療、調理等々)

 人間の文化に詳しく、文字や機械などを使いこなす演技が可能です。

 EP:1500 手札上限:4 スート:ハート
 SEP:5000  特性「英知


精霊:

 自然界の特に偉大な精霊、あるいは自然の力そのものです。
 本来決まった実体を持ちませんが「ウンディーネ」や「ドライアド」のように人型の姿で行動するのが一般的です。
 「サラマンダー」のように人型以外の姿を好む精霊もいますがそういう場合民との交流には苦労が多いでしょう。
 戦闘では防御に優れ、探索においてはモチーフとした精霊の特徴に応じたピンポイントな特技を発揮できます。
 (たとえばウンディーネは溶けて隙間を通り抜けたり、水中を自在に移動できるでしょう)

 炎や風など自然を操る演技が可能です。
 性別を持たないことが可能です。

 EP:3000 手札上限:3 スート:ダイヤ
 SEP:5000  特性「守護


鬼神:

 アバターの中でも非常に霊的な性質が強く、不安定な存在です。
 人間と似た姿をしたものが多くみられますが、その頭部には角があります。
 圧倒的な力を持ち、使いこなせれば戦闘において無双の活躍をします。
 しかし、力を失うと神とは名ばかりの低俗な下級霊に成り下がってしまう恐れもあります。

 霊体に近い存在のため、定命の物に憑依したり物体を透過したりすることができます。

 EP:7000 手札上限:1 スート:スペード 
 特性「剛腕

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 アバターを選択したら、見た目や名前をアバターに合わせて自由に設定してください。
 それがあなたが下界を探索するときの身体となるのです。

神器の作成

 アバターの作成が終了したらもう一息です。
 あなたが日頃持ち歩いている「神器」を一つ設定します。(神器の創造
 「剣」や「鏡」などが一般的ですが、身に付けられるものなら何でもかまいません。
 神器はあなたの持てる手札を一枚増やし、さらにアバターの成長に重要な役割を果たします。(創造と成長
 また、神器を一つ消耗することであなたの手札を一気に回復する「奇跡」を使用することもできます。(奇跡
 先ほど選んだアバターはすでに神器を一つ創造し所持した状態のステータスなので必ず一つ、神器を作成してください。

 お疲れ様でした!
 これでゲームを開始する準備は完了です!
 ゲームマスターはトランプの山札をよく混ぜて、各プレイヤーに手札上限いっぱいまでカードを配りましょう。
 いよいよゲームスタートです!

キャラクターシート

 キャラクターの名前や能力を書き込む用紙です。
 下記リンクを印刷してお使いください。
 (A4がちょうどいいでしょう)
 キャラクターシート
 記入例

スタートシナリオ「タイタンの乱」

※『このシナリオは初めてのプレイを前提としたシナリオです。
 ゲームシステムや、RPGそのものの雰囲気をつかみましょう。
 ゲームマスターはこの本を読んで敵キャラや村人などを操作し物語を進めてください。』

あらすじ

 あなたたちは同じとある惑星に住んでいる有力な精霊たちです。
 今年はある地方で世界中の神を招いての60年に一度の祭りが行われるため、民と共に祭りの中心地である「大神殿」に集まっていました。
 今日は大祭の前夜祭です。
 世界一の大祭とあって初めて顔を合わせる者達もたくさんいます。
 世界の神々はお互いに杯を片手に自己紹介などし始めました。

※『ここではプレイヤーたちが互いに自己紹介を行いましょう。
 自分の名前や種族などについて話すうちにお互いのキャラクターの性格が生まれてくるでしょう。
 初めてなので一人ずつ順番に話した方がスムーズに進めやすいでしょう。
 全員の自己紹介がすんだらマスターが物語を進めましょう。』

不吉な使者―初めての戦い―

 しかし、前夜祭のにぎわいの中、突然傷だらけの青年が息を切らして駆けつけてしました。
 その青年は祭りに呼ばれなかった精霊「タイタン」が神殿を破壊し、祭りを中止させようと計画していることをも絶え絶えに皆さんに伝えました。
 それを裏付けるように青年を追ってタイタンのしもべたちが現れたのでした。

 タイタンのしもべ「知られたからにはただでは済まさん!」

 タイタンのしもべは青年の話を聞いたあなた方に敵意を向けます。
 どうやら戦いに巻き込まれてしまうようです。

初めての戦闘!

※『プレイヤーたちの初めての戦闘です。
 この戦いでこのゲームの戦闘の流れを体で覚えてもらいましょう。
 チュートリアルなので行動に制限があります。』

 敵の情報:
 タイタンのしもべH0[EP2000]*1+プレイヤー数の半分(端数切捨て)
 (Hは敵の手札上限です)
 (H0の敵キャラクターは1ラウンドに1枚まで山札の一番上のカードを手札替わりに使用します)

戦闘場所:神殿前広場

戦いの手順(戦闘のシステム

・第一ラウンド
 まず各プレイヤーに手札を一枚裏向きに出してもらいましょう。
 この間にマスターは敵のカードを山札の上から裏向きに出しておきます。
 全員がカードを出したら「せーの」で同時にカードを表にします。

 そしてカードの数字が大きい人から順に誰を攻撃するのか宣言していきます。
 マスターは行動宣言時にもう一枚カードを出してもよいことをプレイヤーに伝えましょう。
 (第一ターンは通常攻撃のみです。強打はこのラウンドに限り発生しません)
 (このシナリオは味方への攻撃は許可されません)

 出したカードの合計数が大きなキャラクターから順番に行動します。
 この時、行動前に攻撃を受けると行動がキャンセルされることをプレイヤーに伝えましょう。

 全員が行動を終えたらみんなに時計回りにカードを配って次のラウンドへ移行します。

・第二ラウンド
 一枚目のカードの提出まで第一ラウンドと同じです。
 第二ラウンドの行動宣言の前にプレイヤーに「防御」について説明します。
 (この戦闘ではEP消費によるカード補給は許可されません)
 (このラウンド以降は「強打」が発生します。行動宣言時に自分と同じスートのカードをプレイヤーが出したとき強打について説明しましょう)
 そして以後は同じ流れを繰り返して戦闘終了まで戦います。

逃走と追跡

 この戦闘は敵にEP1000以上のキャラクターがいなくなると攻撃が通用しなくなるため敵が逃げようとします。
 逃げる敵をプレイヤーが追いかけるかどうかを確認しましょう。
 ここでプレイヤーが追いかけるのであれば「追跡」についての説明を行います。
 また、あえて敵を逃がして後をつけることも可能です。
 その場合は後をつける者は戦いから外して戦闘を継続してください。

 全ての敵がいなくなれば戦闘は終了です!

追跡のゆくえは?

 もし味方の誰かが逃亡した敵の後をつけていた場合、そのキャラクター達の場面をここで行います。

 命からがら逃げた敵は最終的に地面にあいた奇妙な大穴へ逃げ込みます。
 虫に食われたように大地にぽっかりと空いた大穴。
 中から強力な殺気を感じるため今は神殿に戻って仲間に知らせるべきです。
 (プレイヤーが大穴への侵入を強行したら今の戦力では無理だと警告してください)
 (それでも突入すると奥から生ぬるい風と不気味な地鳴りがします)
 (プレイヤーに最後の警告です。進めばアバターは最悪の場合死亡します)
 (そうなった場合SEP減少とアバターの再創造について説明します)
 ここでの選択は引き返し仲間と合流するか進むか二者択一です。

 プレイヤーが無理に侵入すれば、謎の巨大生物の不意打ちを受けます。
 4000EPのダメージを受け、吹き飛ばされてしまいます。
 これによりアバターが死亡したプレイヤーはSEPを使用し、新たなアバターを作成してください。(アバターの創造
 (先ほどと違う種類のアバターを選んでも構いません)
 新たなアバターは記憶はそのままに神殿の前で復活します。

 次のシーンから探索パートとなります。
 このシナリオでは探索中に宇宙へ移動することはできません。

村での聞き込み―初めての探索―

 タイタンのしもべは逃げ去る間際に不気味な球体を地面に投げつけました。
 地面に当たった球体は溶けるように地面にしみこみすぐに消えてしまいます。
 それを見ていたこの星の民の一人は慌てた様子で逃げるように神殿へと走っていきました。
 彼は今の球体が一体何なのか知っているのかもしれません。

 プレイヤーから特に宣言がない場合はそのまま一行は神殿へ向かいます。
 (プレイヤーから妥当な提案があれば神殿以外の行先も認めて構いません)
 (大穴を偵察していたプレイヤーがいればこの場面で帰ってきます)

 神殿の状態:
 先程の戦いで傷つき、所々壊れています。祭りを開くには神殿の修復が必要です。
 プレイヤーが神殿の修復に挑戦する場合「判定」を行います。(修復作業:難度10)
 「偉人」は人間の文化に詳しいため「修復作業」に+6のボーナスを得ます。
 神殿が修復された場合マスターはそのことをどこかに記録しておきましょう。
 この判定は一度挑戦したプレイヤーは翌日になるまで再挑戦できません。
 (ここで得られる「ボーナス」とはアバターの固有能力によるものです)


「判定」について
 難しい行為に挑戦する場合、成功するかどうかを「判定」によって決定します。
 マスターはまずその行為がどれくらい難しいかをプレイヤーに伝えます。
 (数字ではなく大雑把な「感じ」だけ伝えてください(難度の目安))
 それに対しプレイヤーがカードを好きなだけ提出します。
 それに対してマスターは成功か失敗かを伝えます。
 (失敗しても「惜しい」など直接数字でない表現で教えましょう。)
 この時プレイヤーの提出したカードの合計が難度を超えていれば成功です。
 なお、この時二つの数値が同じだった場合「ファンブル」という最悪の失敗になります。
 どのような災難が起こるのかはマスターがその時々で判断してください。

 判定の結果プレイヤーのカードの数値が足りない場合でも安心してください。
 プレイヤーはEPを100払うごとに山札のカードを一枚上から自分の提出したカードに足すことができます。
 追加提出は自分の手札上限と同じ回数行えますが、その途中でファンブルが発生してしまった場合その場で判定は終了となるので気を付けてください。


 このシーンでは聞き込みが行えます。
 
・大神殿(現在位置)
主要登場人物大神官、逃げ込んだ男
イベント初めてこの神殿を訪れた時、大神官がプレイヤーの傷を癒してくれます。
大変に消耗するので一度しかできません。
この時点でEPが初期値を下回っているプレイヤーのEPを初期値まで回復します。

・神殿ふもとの村(移動所要時間なし)
主要登場人物襲われていた青年、村人
イベント村を探索すると発生。
先の戦闘で巻き添えになった民家が崩れて、少女が一人閉じ込められています。
村人が救助活動を行っていますが救出にはまだ時間がかかりそうです→イベント

 以下はこの神殿、及び神殿のふもとの村で手に入る情報です。
 基本的にはプレイヤーの質問に対し該当する情報を話してあげましょう。
 またマスターは必要と考えれば聞かれなくてもキャラクターに情報をしゃべらせてかまいません。
 (情報に振ってある番号は見やすくするための物で特に意味はありません)

  1.  球体について(大神官、逃げ込んだ男から入手可能)
     あの球体は「ダンジョンワーム」という大怪物を呼び寄せる「しるし」です。
     一度印がつけられれば3日後に必ず「ダンジョンワーム」が襲いに来ます。

  2.  「ダンジョンワーム」について(大神官、逃げ込んだ男から入手可能)
     「ダンジョンワーム」は偉大なる大地の精霊「タイタン」のしもべです。
     地中に住む大怪物で知性はなく「しるし」に向かって土を食って移動します。
     そして「しるし」のつけられた土地を一飲みにしたらタイタンの所へ帰るのです。
     かつて妖精の村がダンジョンワームに襲われて滅びました。

  3.  「タイタン」について(大神官から入手可能)
     「タイタン」はこの星に古くから住まう非常に有力な大地の精霊です。
     強い力を持ち、粗野な性格から尊敬と同時に恐れられてきました。
     しかし、愚かな神ではなく、突然怪物をけしかけてきた理由は分かりません。
     祭りに招待しなかったのは現在、地底を守る任務のためタイタンが地上に来られないからです。
     タイタンは地底に居城を構えており、その場所は誰も知りません。

  4.  追手(襲われていた青年から入手可能)
     先ほどの敵はタイタンが差し向けた手先です。
     村に「しるし」を持ち込もうとしているところを青年に目撃されたため襲ってきました。
     下級の大地の精であり、プレイヤー達の相手ではありません。
     「しるし」については大神官が何か知っているようです。

  5.  タイタンの計画(襲われていた青年から入手可能)
     タイタンは祭りを妨害することで他の神々の力を弱めようとしています。
    (祭りには神々に力(すなわちEP)を供給する効果があるのです)
     タイタンは世界一の祭りを潰すことで世界に己の権威を見せつけようとしているようです。
     実際に一部の有力な神を除けばこの祭りなしにタイタンに比肩しうる力を得ることは不可能です。

  6.  妖精の村(全村人から入手可能)
     西に跡地があり、ダンジョンワームが食べた大穴だけが残っています。
     徒歩で半日もあれば行けます。
     妖精たちが今どうなっているのかは誰も知りません。
     この村の大穴をたどってゆくとタイタンの居城にたどり着きます。
     冒頭の戦闘でタイタンのしもべが逃げ去ったのはこの穴です。
     ダンジョンワームの穴へ侵入する場合→迷宮への挑戦

  7.  迷いの森(村人誰からでも入手可能)
     最近北の森を通り抜けられなくなりました。
     まっすぐ歩いたつもりが元の入り口に出てしまいます。
     小さな森なので向こうへ行きたい時は迂回しており特に困ってはいません。

 これらの情報についてプレイヤーが探索を行わない場合はマスターからそれとなく行動を促してみましょう。
 それでもプレイヤーが特に行動を起こす様子がない場合3日が経過し、ダンジョンワームを迎え撃つことになります。
 (3日の間に「神器の創造」「恋」イベントを行っても構いません)
 また探索中に3日経過した場合、大神殿とふもとの村に滞在していればダンジョンワームと戦闘になります。

 戦闘:ダンジョンワーム(地上)
 ダンジョンワームを迎え撃った場合、その穴をたどってタイタンの居城へ行けることをプレイヤーに教えてあげましょう。
 あくまで事の元凶はタイタンです。ワームを撃破したとしてもタイタンはさらなる手勢を差し向けるでしょう。
 ダンジョンワームの襲撃後もプレイヤーがタイタンとの対決に乗り気でない場合大神官から打倒タイタンを懇願されますが、それでもプレイヤーが行動を起こさない場合はタイタンが惑星を支配しゲーム終了となります。
 ゲームを終了させる場合事前にプレイヤーに警告を行いましょう。
 他にタイタンに対抗しうるほどの神はおらずタイタンを自由にさせておいては惑星の支配は免れません。


 このシナリオをクリアするために必須ではないイベントがあります。
 プレイヤーが上記の情報とは無関連にふもとの村を探索している時は以下のイベントを起こしましょう。

隠されたイベント

 村では先の戦闘の余波で破壊された民家がいくつか見られます。
 そのうちの一軒で少女が崩れた家屋に閉じ込められており、村人が救援作業を行っていますがかなり時間がかかりそうです。
 「救援作業」(難度4)を手伝うと、救出した少女から情報が入手できます。
 獣神の場合救援作業の判定に+3のボーナスを得ます。
 (この時救出した神を記録しておくとよいでしょう)
 これを無視した場合、少女は翌日には村人によって救出されています。
  1.  妖精と遭遇(少女の救出時に入手可能)
     少女を助け出すと少女の肩に小さな妖精が乗っています。
     助けが来るまでの間ずっと少女を励ましていたようです。
     しかしあなた方の姿に気が付いて一目散に逃げてしまいました。

  2.  逃げた妖精について(救出した少女から入手可能)
     彼の名はパックといいます。
     かつてダンジョンワームに襲われ壊滅した妖精の村の住人です。
     妖精の村は現在タイタンの目から逃れるために森の奥深くに魔法で隠されていますが、少女は森で遊んでいる時偶然彼と知り合いました。
     本当は妖精が森から出ることは妖精の女王に禁止されていましたが、パックは60年に一度の大祭をどうしても見たくて黙って村まで来てしまったようです。

  3.  妖精の村について(救出した少女から入手可能)
     村から北へ一時間ほど歩くと小さな森があります。
     妖精の村はこの森の中心にあります。
     森には魔法がかけられており、まっすぐ歩くとすぐに通り抜けてしまうのですが抜けてみると入口に戻っているのです。
     森の精による「道迷い」を解除(難度8)しなければ妖精の村へ入ることはできません。
     (「精霊」ならば「道迷い解除」に+3ボーナスを得ます)
     (この判定は一度挑戦したプレイヤーは翌日になるまで再挑戦できません)
     訪ねるのなら少女がパックあての手紙を書いてくれます。

  4.  妖精の女王(救出した少女から入手可能)
     強い魔法の力を持つ妖精の女王です。
     とても美しいと言います。
     タイタンやダンジョンワームについてよく知っているようです。

 この村で得られる有益な情報は以上です。
 有益な情報を得られない場所で探索をするとあっという間に時間が過ぎてしまいます。
 特に行動を決めないまま3日目の昼になるとダンジョンワームを迎え撃つイベントにより強制的に村の広場に集合します。

北の森

主要登場人物パック、妖精の女王
イベント 北の森へは簡単に行くことができます。
 道迷いの解除(難度8 精霊はボーナス+3)を行わずに森へ入れば何の収穫も得られないまま半日が経過します。
 道迷いを解除すると以後は簡単に妖精の村へ行けるようになります。

・妖精の村
 ダンジョンワームの攻撃から逃れた妖精たちは森の中に隠れ里を作りました。
 美しい女王の統治で平和に暮らしていますが外界からは身を隠しています。
 少女の手紙を持っているか否かで女王の反応は大きく変わります。

  1.  女王の話(手紙がない場合)
     女王は無理やり魔法を破ったあなたたちをあまり歓迎していません。
     しかし偉大なる神々の一員であるあなたたちをむげに扱うこともできず事情は聞くつもりのようです。
     女王はタイタンの居城へ行くにはダンジョンワームの穴をたどれば良いことを教えてくれます。
     最初の村の西にある妖精の村跡地の大穴はタイタンの城へ続いています。
     ダンジョンワームは強い光が苦手だということを教えてくれます。

  2.  女王の話(手紙がある場合)
     手紙を読んだ女王はひとまずプレイヤー達を信用してくれた様子を見せます。
     女王はタイタンが近頃不穏な動きをしていることを案じていました。
     しかし魔力も体力もタイタンには及ばないため困っていたのです。
     女王はプレイヤーにタイタンに関する情報を提供してくれます。
     (村ですでに聞いている情報に関しては割愛してかまいません)

     ダンジョンワーム:
     「ダンジョンワーム」は地底に住む獰猛な巨大ミミズです。
     土を食べて生き、巨大でバカなので土ごと異物を食べても気づきません。
     今はタイタンに操られて「しるし」のある場所を食べて回っています。
     光に弱く、明るいところでは力を発揮できません。(強い光がある場合戦闘の際別のデータを使います)
     最初の村の西にある大穴はタイタンの居城へ通じています。
     女王は「光を!」の魔法石を持たせてくれます。
     使い捨ての魔法で、地面にたたきつけると10分ほど強烈な光を放ち続けます。
     (ダンジョンワーム戦で使用するとダンジョンワームが弱体化します)

     タイタン:
     タイタンは妖精とも親交のある偉大なる大地の精でした。
     しかし60年前の「ほうき星の日」を境に地底にこもり、他の妖精や精霊を使役するようになったため、女王は交流の断絶を決意しました。
     タイタンがなぜ野心に目覚めたのかは不明です。
     今年は60年ぶりの「ほうき星の年」ですが、タイタンは何か焦っている様子です。
     タイタンはダンジョンワームを操るために、付近に出城を構えているはずなので、ワームの穴を逆にたどればタイタンの出城にたどり着けるでしょう。
     タイタンがこのような暴挙に出た以上、戦いも覚悟したうえで直接交渉を行う必要があるでしょう。

  3.  パックについて(「妖精と遭遇」を経験していれば入手可能)
     彼は侵入者を魔法で追い返す番人だったのですが、森で少女と仲良くなってしまい、時々妖精の村を抜け出して人間の村へ遊びに行っていました。
     しかし少女は秘密を守ってくれていたので今日まで村は守られていました。
     プレイヤーが望むならパックをタイタンの居城へ同行させることができます。

     手紙を持って女王と話した場合プレイヤーたちは歓待を受けます。
     ワームの襲撃まで1日以上余裕があるならささやかな祭りが開かれ、半日が経過します。
     この間に神器の創造や「睡眠」「恋」を行っても構いません。
     この祭りで全てのプレイヤーのEPが500増加します。

 妖精の村の情報は以上になります。
 妖精の村のイベントを終えた時点でまだふもとの村がワームの襲撃を受けていない場合、迎撃か突入か、二者択一となります。
 迎撃の場合自動的に3日目の昼となり、ふもとの村の広場に集まります。
 ただし、まだふもとの村の探索を終えていない場合、ワームの襲撃までの間ふもとの村の探索を行うことができます。
 ワームの襲撃までの間に神器の創造や「睡眠」「恋」を行っても構いません。
 3日目の昼、以下の戦闘が発生します。

※ダンジョンワームの迎撃

 敵の情報:
 ダンジョンワーム(地上)H0[EP4000]*1(行動−3)
 ベビーワーム(地上)H0[EP100]*プレイヤー数(行動−3)

 場所の情報:村の広場


 妖精の村の探索中など、プレイヤー達が不在の間に3日目の昼を迎えてしまった場合、大神殿はダンジョンワームによって破壊され、ふもとの村にも甚大な被害が発生します。
 ダンジョンワームの襲撃後はふもとの村にできた大穴からもタイタンの居城へ侵攻することができます。

迷宮への挑戦

 タイタンの居城へ侵攻開始する場合ワームの穴を抜ける判定を行います。
 1人でも成功すればタイタンの居城を発見することができます。
 ワームの穴は所々崩れ、迷路のように入り組んでいます。(難度11−挑戦数)
 (「九十九」は+3のボーナスを得られます)
 この判定は翌日になるまで再挑戦できません。
 (失敗した場合穴の入り口まで引き返すことになります)
 成功するとタイタンの居城がある大空洞にたどり着きます。
 この時ダンジョンワームが健在であり3日目でない場合はダンジョンワームと戦闘になります。
 戦闘を避けるために隠れて進む場合は難度12の判定となります。
 判定の際、プレイヤーから妥当な固有能力の申し入れがあった場合そのプレイヤーに+3の修正を加えてください。

 敵の情報:
 ダンジョンワームH0[EP8000]*1
 特性「繁殖」
 ラウンド開始時にベビーワームが一匹もいない場合そのラウンドは行動しない。そのラウンド終了時にベビーワームをプレイヤー数と同じ数だけ生む
 (ベビーワームH0[EP100])

 場所の情報:ダンジョンワームの穴

※この戦闘で「光を!」の魔法石を使用した場合ダンジョンワームのEPを半減させ、ベビーワームを全て撃破します。
 以後は敵をEPだけ引き継いで「ダンジョンワーム(地上)」として扱い戦闘を続行します。
 なおパックの魔法は精神に影響を与えるものなので、知性を持たないダンジョンワームには通用しません。
 そのためこの戦闘にパックは参加しません。

タイタンの居城

 タイタンの居城はどうやら本拠地ではなく出城のようなもののようです。
 しかしタイタン本人が出向いている以上彼を討伐すれば目標は達成です。
 プレイヤーが城内へ突入するとそこは赤いじゅうたんの敷かれた四角い部屋の四方の壁に一つずつ、計4つの扉がある部屋でした。
 しかしこの部屋、どの扉を選んでも、どこまで行っても同じ部屋が続いています。「道迷い」の魔法がかかっているのです。
 部屋を調べるとじゅうたんの下に彫られた何かの魔法の印が見つかります。
 (妖精の村を訪れていれば「道迷いの印」だと一目でわかります)
 プレイヤーが自力で見抜けなくても、パックが同行している場合「道迷い」の魔法がかかっていることを見抜いてくれます。
 (「道迷い」の解除(難度8)を行うと部屋は土くれとなって消滅し、タイタンの部屋が現れます)
 誰かがEPを500ポイント支払い砦ごと吹き飛ばしてしまうという手段も可能です。

タイタンとの決戦

 タイタンは落ち着いた様子で静かに闘志を燃やして待ち構えていました。
 タイタンを倒せば民には安心が戻り、祭りも無事行われることでしょう。
 しかしタイタンはなぜ暴挙に及んだのか。
 話し合う余地があるかどうかはプレイヤーたち次第です。
 どちらにせよまずはタイタンを止める必要がありそうです。
 パックが同行している場合、各ラウンドの初めに「タイタンのしもべ」一体を混乱魔法で行動不能にしてくれます。
 混乱魔法は一ラウンドだけ有効で、ターゲットはEPの高い者を狙います。
 この戦闘は「決戦」であり「ステージブレイク」が発生します。

 敵の情報:
 タイタン スート「クラブ」 H3[EP5000 SEP3000*プレイヤー数]
 特性《強靭》1ラウンドに一度、攻撃を受けてもひるまない。
 タイタンのしもべ H0[EP2000]*(プレイヤー数−2)

 ダンジョンワームH0[EP8000]*1(撃破されていない場合タイタンのしもべの代わりに出現)

 タイタンのEPが2000を下回るか、ステージブレイクが発生した次のラウンド開始時にタイタンは「力の解放」を行います。

 この戦闘でタイタンが敗北すると他の敵は全て逃げてしまいます。

※タイタンの戦闘パターンについて
 タイタンは強打を積極的に狙います。
 手札が不足すると防御を使用します。
 強いカードを優先的に使用し、EPの多い者を優先的に狙います。
 スペシャルアタックは特に狙いませんが場のカードがそろえば宣言します。
 EP消費による手札の補充は行いません。
 力の解放後EPが2000を下回るとタイタンは戦いをやめて降参します。
 降参に応じるか止めを刺すかはプレイヤーの判断によります。

ステージブレイクについて
 このシナリオは「ステージ1」に設定されているためいずれかのプレイヤーがEP10000を超えることでステージブレイクが発生します。
 ステージ1がブレイクした場合スートを持つ全てのキャラクターのEPが5000増加します。

タイタンにとどめを刺す場合

 タイタンは消滅の間際にプレイヤーたちに警告を残します。
 空の彼方に宇宙と呼ばれる遥かに広大な世界があること。
 その宇宙のどこかにいる強大な神にタイタンは従うしかなかったこと。
 そして自分を倒したことでプレイヤーたちは宇宙の神に発見されてしまうであろうこと。
 タイタンはプレイヤーたちに強い者に屈して暴挙に及んだことを詫びながら土に還っていきます。
 最後にタイタンは「バッカスの3番星」という星への地図を残しました。

タイタンと話をする場合

  1.  60年前の話
     60年前、ほうき星と共にこの星の外から一柱の神がやってきました。
     伝説上の存在である星々の神は驚異的力を誇り太刀打ちは不可能でした。
     タイタンに与えられた選択肢は二つ。
     この場で滅ぼされて星が征服されるのを塵となって眺めること。
     もう一つはタイタンが星の支配者となって星の恵みを献上することです。
     タイタンは星の支配者になることを選びました。

  2.  なぜ大祭を狙ったのか
     星の恵みを献上するには星や民への被害をなるべく少なくして支配を達成しなければなりません。
     そのためタイタンは有力な精霊達の集まる時と場所を狙い、一度にライバルを蹴散らそうとしたのです。
     宇宙の神に逆らうよりはその方が他の精霊たちにとってもよいことだとタイタンは考えていたようです。

  3.  宇宙の友好的な神(この話は必ずします)
     タイタンは宇宙の友好的な神を見つけたようで、地図を入手していました。
     タイタンは大地を離れられないので自由な精霊に地図を託したいようです。
     プレイヤーは「バッカスの3番星」への地図を入手します。

  4.  タイタンの更生
     プレイヤーがタイタンを許せば、タイタンはあなた方が宇宙へ旅立ってもこの惑星の守護者として民の暮らしを守ることに尽力することを誓います。
     そうした場合タイタンは60年に一度の大祭に出席し、プレイヤーたちを称えるために祭りをより盛大なものにしてくれます。
    (このことはどこかに記録しておきましょう)

祝祭

 タイタンの脅威は去りました。
 恐るべきダンジョンワーム達も野に帰り、民たちは安心しています。
 ついに60年に一度の大祝祭の始まりです!
 民たちはプレイヤーの活躍をたたえ、以後神として奉るでしょう。

 《祝祭のEP供給量》
 基本供給:3000
 神殿再建:500
 少女救出:500
 妖精の村と親交:1000
 タイタン更生もしくは撃退:1000

 これでひとまずこの物語は終わりです。
 これでゲームは終了ですが、その後の世界を演じるかどうかは皆さん次第です。

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