「ワールド」について
標準的な「ワールド」は市販のトランプによる52枚デッキに1枚のジョーカーを加えた計53枚のカードとなります。
これらはマスターが創造した宇宙の状態を表すものであり、ゲームシステムの中枢となるものです。
「ワールド」はマスターが表現したい世界に合わせて自由に作り変えることができます。
特定のスートの枚数を変えることで宇宙の勢力や資源の偏りを表現したり、極端にデッキの枚数を少なくしてエネルギーの獲得競争を体感的に表現したりといったことです。
「ワールド」とは宇宙の創造主たるゲームマスターの意志をゲームシステムに直結させる仕組みなのです。
「還暦」
デッキのカードがなくなると全てのキャラクターは手札をランダムに1枚捨てます。その後マスターが捨て札置場の全てのカードをシャッフルして新たなデッキとします。
その後マスターは手札上限が1枚以上の全てのキャラクターにカードを1枚ずつ配ります。
これを「還暦」といいます。
還暦は基本的に山札が無くなったら即座に発生し、終わるまで他の宣言やイベントは一切行えません。
判定などの途中に還暦が発生した場合、特に記述がなければ還暦の処理を先に行います。
「還暦」はカードの独占を防ぎ、ゲーム上の時間やエネルギーの制限をシステム面で表現することが目的です。
(例1:次の還暦までにボスを倒さなければ敵の軍勢が民を滅ぼしてしまう)
(例2:もう一度還暦を迎えると宇宙のエネルギーを使い果たしてカードを引くことができなくなる)
「ワールド周回数」(オプション)
「還暦」が発生したらマスターは「ワールド周回数」に1を足します。「ワールド周回数」とは「そのセッションの間に何回山札切れを起こしたか」を表す数値です。
「還暦」によるゲーム経過の管理をより拡大したものです。
セッション全体を通してプレイ状態を記録したい場合に用いることができます。
(例:より少ない周回数でクリアすると獲得EPが増える)
「周回上限」と「ゲームオーバー」(オプション)
設定された周回上限をワールド周回数が上回った時、プレイヤーはマスターの承認を得ることでゲームを続行するか否かを話し合うことができます。続行を選択した場合、NPCを除く全てのキャラクターのEPを20%減少させ、ゲームを続行します。
マスターの承認が得られないか、断念が選択された場合そのゲームはその場で終了となります。
マスターはプレイヤーたちが戦える状況ではなくなったことを告げ、ゲーム終了の手続きを行ってください。
周回上限によるゲームオーバーを採用する場合、マスターは事前にそのことを十分に告知しておきましょう。
その際、話し合いの承認はあるのか、あるいは即座にゲームオーバーとするのかも告知するのが良いでしょう。
周回上限の目安は「ステージ」の値+10程度ですが、マスターが好みで数値を設定して構いません。
この選択ルールは長編のストーリーの分岐を作ったり、逆に単発の高難度のシナリオをプレイする時などに利用できます。
「ステージシステム」について
(例:ステージ2で創造した惑星がステージ3では文明が根付いており、旅の舞台になる) ステージにはそれぞれ「EP上限」が設けられており、そのゲーム内でのEPの最大値を決定しています。
キャラクターのEPが上限を超えて増加した場合、戦闘またはそのイベント終了と同時にステージの上限値まで減少します。
「ステージブレイク」
特定の場面でPCもしくはマスターが定めた特定のNPCのEPがそのステージの上限値を上回った場合「ステージブレイク」が発生します。ステージブレイクした場合全キャラクターのEPが現在のステージのEP上限の50%分増加し、次のステージに移行します。
プレイヤーはキャラクターシートに現在の自分のステージを記入しましょう。
そのキャラクターの現在のステージ未満のステージをプレイした場合ステージブレイクの影響を受けません。
このシステムはキャラクター間の格差を緩和しつつ、物語上の節目や戦いの次元が変わる瞬間を体感的に表現可能にするのが目的です。
ステージブレイクには遊び方によって使い分ける二つのモードが存在します。
ノーマル
マスターが許可した戦闘中のみステージブレイクが発生します。(その戦闘は「決戦」と呼ばれます)
それ以外の場面でEPが上限を超えた場合、その戦闘またはイベント終了時に上限値まで減少します。
また1ゲーム中に一度までしかステージブレイクは発生しません。
長期的なキャンペーンや普段の基本的なゲームプレイに適しています。
フリーブレイク
常にステージブレイクが可能であり条件を満たすたびにステージブレイクが発生します。1ゲーム中に何度でもステージブレイクし、条件を満たせば一度に2回以上のステージブレイクが連続して発生することもあります。
単発のゲーム向けの戦闘が急速にインフレしてゆくダイナミックなモードです。
フリーブレイクで使用するキャラクターはノーマルモードで使用しない、あるいは使い切りとすることを強く推奨します。
ステージごとのEP上限
ステージ1 | 10,000 |
ステージ2 | 40,000 |
ステージ3 | 160,000 |
ステージ4 | 640,000 |
ステージ5 | 2,560,000 |
ステージ6 | 無制限 |
以上の設定は基本的なものであり、ゲームの内容に沿ってより適切なステージを自分たちで設計するのもよいでしょう。
敵キャラクターの設定
このゲームでは用意された敵キャラクターは特にありません。敵キャラクターは以下のテンプレートに従ってその都度マスターが自作することになります。
「敵キャラクター名」:通常の敵は通称・種族名等、ボス及び物語に絡むキャラクターは固有名を持たせるとよいでしょう。
EP:全ての敵キャラクターが備えています。基準は下記参照。
SEP:基本的にはボスキャラクターのみに与えられるものです。
スート:雑魚ならば持たないこともあります。逆にきわめて強力な敵、ボス等なら複数持つこともあります。
手札上限:基本的にボスキャラクター、あるいはきわめて強力な敵に与えられるものです。
特性:基本的にボスキャラクター、あるいはきわめて強力な敵に与えらえれるものです。
メモ:そのキャラクターの行動パターンなどをある程度決めておくとよいでしょう。
手札や特性を持つ敵との戦闘は大抵非常に時間がかかるため、重要なキャラクターを絞るか、時間短縮の工夫が必要です。
特性に関しては必要に応じてそのゲーム中のみ有効な自作特性を敵専用として与えることができます。
・雑魚キャラクターサンプル
河童
EP:1000
スート:ダイヤ
手札、特性:なし
メモ:一人に集中攻撃する。強打は出たら宣言する。
・ボスキャラクターサンプル
水源の龍神、青龍
EP:3000
SEP:5000
手札上限:3 スート:ダイヤ
特性「神性の護り」:SEPが自分のEPを上回る場合受けるダメージを半減する。
メモ:青龍はEPが1500を下回ると「力の解放」をする。スペシャルはあまり狙わず先手取りを重視する。
1ゲームに登場する敵キャラクターの総EP(SEP)量はゲーム参加PCのEP総量の1.5倍程度が目安です。
また、基本的には単体のEPが初期状態でステージ上限を超える者は登場させない方が良いでしょう。
新たなアバターの作成
自分の遊びたい世界観に合わせたアバターを自分で作って遊ぶことができます。
ただし、作成したテンプレートは同じステージ構成のもとで作られたテンプレート同士でしか遊ぶことはできません。
(例えばこのサイトの初期設定アバターと自作したステージ設定に基づくアバターを同じゲームで使用することはできません)
1.コストの設定
まずは作成するアバターをゲーム中で使用する際のコストを設定します。創造の際、選択したアバターのコスト以上のEPを保有していればそのアバターを創造することができます。
ここで設定したコストをクリアできる最も低いステージがそのアバターの想定ステージとなります。
2.EPの獲得
新規に作成されたアバターは設定されたコストの半分に等しいEPを得ます。この時点でのEPを100%として以下の設定に従いEPを増減させます。
3.手札上限の決定
以下の表1 新しいアバターの初期手札上限を決定します。また以後の項目の選択で最終的なEPの数値を決定する計算値を導きます。
手順3から5までの選択で変動したパーセンテージを最後にEPに乗算します。
表1.初期手札上限によるEP変動
1 | +40% |
2 | +−0 |
3 | −40% |
4.スートの決定
手札上限が決定したら次に新規アバターの初期スートを取得します。スートはアバターの想定ステージと同じ数まで取得できます。
取得可能数と取得数の差に応じてパーセンテージが変動します。
表2.スート獲得放棄によるEP増加
1 | +10% |
2 | +20% |
3 | +30% |
4以上 | +40% |
5.特性の獲得
想定ステージ以下のランクを持つ特性を一つ選んで獲得します。特性一覧
この際獲得可能なランクより低いランクを取得するとEP+20%となります。
逆に高ランクの特性を獲得したい場合EPを−40%することで本来より一つだけ上のランクの特性を取得することができます。
この時点でこれまでの項目で増減したパーセンテージをEPに乗算します。
その値が新たなアバターの初期EPになります。
あとはアバターに好きな名前や設定を与えることで新たな種族としてゲームに参加できるようになります。
用語集、その他の基本的なルール
TRPGとこのゲームに関する用語
・プレイヤー(PL):このゲームの参加者です。物語の主人公を演じます。このサイトでは便宜的に、ゲームマスターも「プレイヤー」と呼んでいる部分があります。
・ゲームマスター(GM):ゲームを管理し、プレイヤーを導きます。
このサイトでは省略して「マスター」と記述している部分があります。
物語をデザインし、敵キャラや村人など「世界」を演じる重要な役割です。
・PC(プレイヤーキャラクター):プレイヤーによって操作されるキャラクター。ゲームの主人公。
・NPC(ノンプレイヤーキャラクター):マスターによって操作されるキャラクター。主人公達以外の登場人物。
・EP:キャラクターの体力であり攻撃力
・手札上限:ゲーム中同時に保持しておけるカードの数
・スート:キャラクターと相性のいいカードのマーク
・SEP:アバターを持つときに予備のEPとして貯蔵される神の真の生命力。
アバターを失ったときや「力の解放」などを行うときに参照される。
・ロスト:SEPを含めたEPをすべて失った時に起こる、キャラクターの完全な死。
そのプレイヤーが所有するあらゆるアバター、神器、惑星が消滅し二度と戻らない。
またそのプレイヤーによって創造されたもので持ち主不在の神器や惑星も消滅する。
・行動値:戦闘時、最初のカード提出から行動の実行までの間に提出したカードの数値の合計。
・攻撃力:戦闘時、攻撃実行の際に与える予定のダメージの数値。
・オプションルール:ゲーム中に適用しなくてもよいルール。
ルールが複雑であったり特殊なため、特定のプレイスタイル以外で必要がない場合が多い。
ゲーム中のカードの扱い
・非公開情報:ゲームマスターを含めた全てのプレイヤーが無断で見てはならない情報。デッキ、他プレイヤーの手札がこれに当たる。
・公開情報:マスターを含めた各プレイヤーが好きな時に確認できる情報
・デッキ:ゲームプレイに用いるトランプの山札。非公開情報。
・手札:プレイヤーがゲーム中保持しているカード。他プレイヤーの手札は非公開情報。
・場:手札などから出したカードが捨て札置場へ送られるまで置いておく場所。公開情報。
・捨て札置場:使用したカードが山札に戻るまでの間置いておく場所。公開情報。
・A(エース):場に一枚でもK(キング)がある場合14として扱う特殊なカード。
・JORKER:場に出す際他の好きなカードとして場に出せる特殊なカード。
イベントと処理
・イベント:PCの行動に対するマスターの応答。もしくはゲームマスターの意思によって宣言されるゲーム進行に関する働きかけ。
・処理:「カードを引く」「EPが増減する」といったゲームシステムによる働き。
・競合:戦闘やイベント等によってカードを引く、EPが増減するなど異なる複数の処理が同時に起こる状態。
・巻き戻し:すでに決定した判定結果を取り下げて、決定が下される直前の状態に戻すこと。
アバター、神器、惑星に関する基本ルール
・アバターの創造は常に現在EPの50%の消費を伴う。・アバターはマスターが特別に許可した場合を除きPC一人につき一体である。
・すでにアバターを所有した状態でアバターを作成する場合そのコストはSEPを参照し、その50%を消費する。
・通常攻撃の攻撃力は常に攻撃者のEPの10%である。
・ダメージを含むEPの増減はコストの支払いの場合を除いて現在EPの1%未満を無視する。
・複数のEP増減が同時に起こる場合、それらを合計した値を一つのダメージ(もしくはEP獲得)として計算する。
・神器を一度に所有できる数は3つまでである。
・惑星を所有できる数に上限はない。
・プラネットバースト:惑星に対し一度にその創造コスト以上のダメージを与えるか、その惑星で創造コストの10倍以上の威力を持つ攻撃を放たれるか、星の核が直接攻撃を受けると惑星は爆発し破壊される。この爆発に巻き込まれたプレイヤーはその惑星の創造コストの半分に等しいEPを失う。略称はPB。
スペシャルアタックの効果
ハート | 宣言時にあなたのカードの合計値を+7する。 この攻撃でダメージを与えた場合あなたはカードを一枚引く。 目にもとまらぬ速さの攻撃。 |
クラブ | この攻撃は通常の2倍のダメージを与える。 この攻撃はキャンセルされない。 怒涛の勢いで迫る猛攻。 |
ダイヤ | この攻撃は通常の2倍のダメージを与える。 この攻撃はあなた以外の全てのキャラクターにダメージを与える。 全てを巻き込む攻撃で隠れ潜む敵を土地もろとも粉砕。 |
スペード | 宣言時にあなたのカードの合計値を−7する。 この攻撃は通常の5倍のダメージを与える。 エネルギーを一点集中し一撃必殺の威力を得る。 |