戦闘のシステム

 マスターが敵対するキャラクターの出現を宣言することで戦闘が発生します。
 プレイヤーがその戦闘に対し一方的に備えていた場合、マスターは事前に1ラウンド分の行動を許可することができます。
 (例1:敵に奇襲をかけ不意打ちを行った)
 (例2:敵の襲撃を察知し、罠や待ち伏せにより先手を得た)等
 逆に敵に一方的に先手を取られた場合は敵キャラクターが1ラウンド分行動を行うことになります。

※先制攻撃時の行動順とコスト
 行動順はカードの提出を行わずプレイヤーの任意で決定します。
 コストを要する行動を宣言した場合、そのコストは支払わねばなりません。
 先制攻撃時は防御側のキャラクターは宣言と行動を行いません。

※AとJORKER
 Aは普段は1、場に1枚でもKがあると14として扱います。
 JORKERは提出の際A〜Kのうち、あなたが宣言したカードとして場に出ます。
 このルールは戦闘時以外でも共通ですのでマスターは事前に説明しましょう。
 以下は戦闘の手順になります。
 この項目では「プレイヤー」とはゲームマスターの事も含んでいます。

1.行動順決定と行動宣言

 各プレイヤーは手札を1枚選択して裏向きにに出します。
 全員がカードを場に出し終えたら、それらのカードを同時に表向きにします。
 場に出したカードの数値(行動値)が大きいプレイヤーから順に行動の宣言を行います。
 各プレイヤーは自分の行動宣言と同時に手札から追加でカードを好きなだけ出して行動値を増やすことができます。
 (ゲームマスターは一人で複数のキャラクターを操作しますが、その際はキャラクターごとに個別に手札の提出や行動宣言を行います)
 行動にコストが必要な場合行動宣言と同時に支払います。

※宣言順が同じ場合の手順
 複数のプレイヤーの行動値が同じだった場合、自分たちの宣言順が来たら各自好きな順番で山札の一番上のカードを捨て札置場に捨てます。
 この時最も大きな数を捨てたプレイヤーから順に宣言を行います。
 この時さらに同じ数を引いた場合そのプレイヤー同士でもう一度同じ手順を繰り返します。
 山札のカードが足りない場合は還暦を行わずにマスターから時計回りに行動宣言します。
 そしてこの手順が終了した後に還暦を行います。

2.行動の実行

 行動値が大きいキャラクターから順に行動を実行します。
 数の大きさが同じプレイヤーが複数いる場合それらの行動は同時に行います。
 全キャラクターの行動が終了したら場に出されたカードを捨て札置場に置きます。

3.手札の補充

 全てのキャラクターの行動が終了したらその後マスターから時計回りにカードを1枚ずつ引いていきます。
 この時に現在のステージ数×100EPを支払えばもう1枚カードを引くことができます。

4.戦闘終了判定

 以上の処理を終了した時点で戦闘を続行するキャラクターが一人も存在しない場合戦闘は終了となります。
 戦闘が終了していない場合「1.行動順決定と行動宣言」に戻って再び以上の処理を繰り返します。

攻撃の種類

通常攻撃:

 相手に対し自身のEPの10%に等しいダメージを与えます。

行動のキャンセル:

 行動宣言を行った後、それを実行する前に攻撃を受けた場合その行動はキャンセルされ実行されません。
 また、特定の行動を取る際にコストとして行動のキャンセルを要求される場合があります。
 キャンセル不可能な行動でない場合行動実行前に自発的にキャンセルすることもできます。

強打:

 プレイヤーが攻撃を実行するとき、そのプレイヤーの場に出しているカードが自身のスートと同じカードだけの場合その攻撃は強打となり、ダメージが2倍になります。
 強打はスペシャルアタックと効果が重複します。

打ち合い:

 お互いをターゲットにしている二人のキャラクターが同時に攻撃を実行する場合「打ち合い」が発生します。
 打ち合い中に還暦は発生しません。
 またEPに10倍以上差がある場合、及びいずれかの手札が0枚の場合打ち合いにならず、代わりに強い者、手札がある者が一方的に攻撃します。
 打ち合いの最中にダメージを受けても打ち合いは中止されませんが打ち合いの最中にキャラクターが死亡した場合即座に打ち合いは終了します。
(ただしどちらかのキャラクターが打ち合いが始まる前に攻撃を受け、攻撃がキャンセルされた場合、打ち合いは発生しません)  打ち合いによる惑星へのダメージ(PB)は優勢側の攻撃力の10%です。
 以下は「打ち合い」の手順です。

1.攻撃力を比べて、高いプレイヤーが山札の一番上のカードを自分の行動値に追加する形で「場に出す※」。
(※「場のカード」とは行動値の決定の際に出したカードで、打ち合い中は「形勢値」と呼びます)

2.劣勢(形勢値が相手より低い)プレイヤーは手札を好きなだけ場に出す。(0枚でもよい)
これによって劣勢のプレイヤーが優勢(形勢値が相手より高い)になった場合もう一度「2」の手順を行う。
劣勢のプレイヤーがカードを出しても(「0枚出す」含む)優勢にならなかった場合、次の手順へ移る。

この戦闘が決戦の場合、劣勢で手札が0枚のプレイヤーは最大で手札上限と同じ枚数カードを引くことができる。
その場合引いたカード一枚につきEPを500ポイント支払う。(払えない場合引くことはできない)
山札切れになった場合お互いにそれ以上カードを引くことはできない。
これにより引いたカードは即座に場に出してよい。

3.未行動のキャラクターは行動をキャンセルすることでいずれかプレイヤーの形勢値に追加する形でカードを1枚出すことができる。
 (どちらのプレイヤーに加勢するかは自由)
 「手札の補充」の直前、形勢値が大きいプレイヤーは打ち合いに勝利する。
 打ち合いに敗北したキャラクターに、勝者の攻撃力に形勢値の差をかけた値のダメージを与える。

攻撃以外の宣言

防御:

 このラウンド受けるダメージを半減し、カードを1枚引きます。
 宣言した瞬間実行され、ダメージを受けてもキャンセルされません。

かばう:

 このラウンドあなたが選んだターゲットが受けるダメージを、代わりにあなたが受けます。
 このラウンドあなたが受けるダメージは2倍になります。
 未行動の場合自分の行動をキャンセルすることでいつでも宣言することができます。
 宣言した瞬間に実行され、ダメージを受けてもキャンセルされません。

逃走:

 手札を1枚捨てることで宣言できます。
 実行時に「追跡」を宣言されなかった場合戦闘を離脱します。
 (これは戦闘に巻き込まれない最低限の距離への移動です)

追跡:

 「逃走」が宣言されたときにのみ宣言が可能です。
 逃走するキャラクターを「追跡」します。
 未行動の場合、自分の行動をキャンセルすることでいつでも宣言することができます。

 追跡を宣言された場合、逃走するキャラクターは手札を1枚捨てます。
 (捨てられない場合は0として扱います)
 その後追跡者がカードを最大1枚捨て、それが逃走者が捨てたカードより数字が大きかった場合追跡に成功します。
 その際追跡者は逃走阻止と尾行を選択することができます。

力の解放:

 あなたは自分の行動宣言時に「力の解放」を宣言することができます。
 力の解放は宣言した瞬間実行されキャンセルされません。
 SEPを0もしくは半分まで減らし、その数値分EPを増加させます。
 (この時EPの1%未満は切り捨てられます)
 SEPを0まで減らした場合、その後あなたは手札の枚数が上限に等しくなるまでカードを引きます。
 力の解放は他の宣言と同時に宣言することができます。

探索のシステム

 神の英知はアバターの中では物理的な制約を受けます。
 そのため冒険の中ではちょっとした探索や情報収集も必要になります。
 そんな時、プレイヤーたちはマスターに対して自分が試みたい行為を宣言してください。
 あなたのアバターがその行為を実行できるだけの素質を持っていれば目的は達成されるでしょう。

「探索」とは

 このゲームにおける「探索」とは基本的には戦闘をしていない状態全般を指しています。
 「探索」の開始時にマスターはプレイヤー達に現在の状態と短期的な目標について手短に説明しましょう。
 その後プレイヤーはマスターに対して任意で質問や行動宣言を行うことができます。
 マスターはプレイヤーの質問に対してはゲーム進行上問題ない範囲で答える義務があります。
 (「答えることはできない」と答えることも可能です)
 いずれかのプレイヤーが行動宣言をしたら「行動の実行と判定」を行い、結果をプレイヤーに伝えます。
 あるいは時間経過や特定の条件を満たすことでマスターからプレイヤーに対し働きかけることもあります。
 これらマスターから伝えられるゲーム内の出来事を「イベント」と呼びます。
 必要ならイベントを処理する前にプレイヤーに本当に実行するのかを確認することができます。
 例えばプレイヤーが破滅的結果をもたらす行動を宣言した場合は「あなたは悪い予感がしました」などの形で警告を事前に行うとよいでしょう。
 行動宣言は個人単位やパーティ単位など時によって規模が変わるためマスターは状況に応じて臨機応変にゲームを進行しましょう。

行動の実行と判定

 行動宣言したことを実行する際、それが成功するのか否かを判定する場合があります。
 (プレイヤーは判定の有無を実行の前にマスターに確認することができます)
 判定が必要ない場合マスターは即座に行動の結果をプレイヤーに伝えましょう。  以下は判定の手順になります。

1.プレイヤーは手札を好きな枚数選んで同時に場に出す。
 (この時、手札がない場合は自動的に失敗となります)

2.マスターはファンブルでないことを確認した後、場に出したカードの数値の合計(達成値)が判定の難度を超えたかどうかプレイヤーに伝える。
 (この時点でファンブルだった場合最悪の失敗となり判定を終了する)
 足りない場合プレイヤーは手札から1枚、もしくはEPを100支払うことで山札の一番上のカードを追加で達成値に加える形で出す。
 この手順は判定を行っているプレイヤーの手札上限の数と同じ回数行うことができる。
 この手順を限界まで繰り返すか、プレイヤーの達成値が難度を上回るか、ファンブルが発生するかのいずれかで次の手順へ移行する。

3.マスターは判定の結果をプレイヤーに伝える。
 (この時プレイヤーが「奇跡」を使用した場合、追加でもう一度手順1を行った後、再び手順3を行う)

※クリティカルとファンブル
 判定の際、場に出したカードが自分のアバターと同じスートのカードのみであった場合、クリティカルとなり全てのカードを絵札として扱う。
 (JからKまでの好きなカードとして判定を行う)
 一方プレイヤーの達成値がマスターの設定した難度の数値と同じだった場合、ファンブルとなり行為は失敗として即座に判定を終了する。

難度の目安

 マスターは難度を設定する際の目安として以下の表を参考にするとよいでしょう。
 なお、どう考えても失敗の余地がない、あるいは逆に成功する余地がないなど判定不要と考えられる行為は判定を行わず自動成功(失敗)にするとよいでしょう。
 難度の数値は基本的にプレイヤーに対して非公開です。
 プレイヤーから難度を聞かれた場合、下の表を参考に大雑把なイメージで答えましょう。
 初期能力のプレイなら難度は最大で21程度までに抑えておくとよいでしょう。

1〜3まず失敗しない。見えている落とし穴に落ちるようなもの。
あるいは異常な不運。
4〜6日常の雑用程度の仕事、これを神が失敗するのは手抜きの証拠である。
カード1枚でも十分成功が見込める。
7〜9高度な力や技術を要する作業。土着の精霊の魔法を看破したり、家を建てるなど。
カード1枚で挑むのはやや不安なレベル。
10〜12極めて高度な力や技術を要する作業。高位魔法の使用や高層建築の指揮など。
クリティカルを狙うかカード2枚程度は投入したい。
13〜25人の力や技術で説明できない、民から奇跡と呼ばれる行為。
民の中にもごくまれにこの水準に達するものがいる。
最低2枚以上のカードが必要。
26〜38神々の戦いにおいてはしばしばこのレベルが要求される。
新興の神にはやや荷が重い水準。
最低でも3枚以上のカードが必要となる。
39〜51高位の神の力に立ち向かうときにはこれほどの難度となる。
同じく高位の神であっても油断を許されない水準。
最低カード4枚以上、可能ならクリティカルを狙わねば達成は難しい。
52〜64奇跡」の使用を前提と考えるべき難度。
全力を尽くしてなお失敗する可能性が付きまとう。
最低でもカード5枚以上が要求される。
65〜神々の力をもってしても抗えない「運命」のようなもの。
成し遂げればまさに奇跡と言える。
最低でもカード6枚、「奇跡」行使したうえで大量の絵札、あるいはクリティカルを引き当てることが望ましい。


神の視点

 プレイヤーたちはこのゲームの世界において神であり、初めから多くのことを知っています。
 しかし、アバターに自分を閉じ込めることで便利さや享楽とひきかえにその英知や行動様式などを制限しています。
 獣神には多様な文字を自在に使うのは難しく、偉人には獣たちの言葉は理解しがたいのです。
 アバターを持つ限りプレイヤーは「そのアバターにふさわしい行動」についてある程度留意する必要があるのです。
 アバターを持たないプレイヤーは物語上「神の視点」に立っているため、プレイヤーの知識はイコールキャラクターの知識ですし、物理的な法則に関わらず他のプレイヤーのアバターと会話をすることもできます。
 一方で世界に干渉する手段のほとんどがアバターによるもののため、アバターがなければ殆どの場面で傍観者であることを余儀なくされます。

手札の補充について

 戦闘中と異なり、探索中には自動的に手札が供給されることはありません。
 探索中の手札供給手段は主に二つあります。

「睡眠」:

 連続して4時間以上の睡眠をとることで、手札上限までカードを引くことができます。
 「睡眠」はアバターを持っている神のみ可能です。

「EP消費」:

 EPを100ポイント支払うことでカードを1枚引きます。
 「探索時、他のゲーム的処理と競合しないとき」であればいつでも宣言することができます。
 手札の枚数が手札上限以上の場合この宣言を行うことはできません。
 EP消費による手札の補充は特別にマスターが許可した場合、例外的に処理を巻き戻して行うことができます。

イベントのランダム発生(オプション

 村や道中などで見舞われる偶然の出来事をトランプで表現します。
 マスターは探索時、他のゲーム的処理と競合しないときランダムイベントの発生を宣言できます。
 マスターはデッキの一番上のカードを捨て札置場に置きます。
 そのカードのスートや数によって以下の出来事が起きます。

ハート美しい(醜い)異性と知り合う。数字が大きいほど外見が美しい。「恋」の対象にできる。
クラブ物語に関する情報を得る。取り逃した情報を手に入れたり、知らなくてもクリアできる物語の背景などを知る。
ダイヤ土地の民などとささやかな宴会を開く。参加者はステージ数×500EPを獲得。
スペードちょっとした騒動、災難が起こる。巻き込まれた者は手札を全て山札に加えてシャッフルし、同じ枚数引き直す。

 アレンジをしたい場合は数字の大小によって効果の程度が変わるなどのギミックを作るとよいでしょう。
 ランダムイベントはあくまで物語の味付けであって、物語進行上の重要イベントをランダムにすることは基本的に得策ではありません。

「恋」フェイズ

 古い神々は隙を見てはたびたび下界の民との色恋に興じていたといいます。
 皆さんの物語に訪れるのはロマンスか、それとも新たな混乱の始まりなのか。
 以下はシステム上の手順を説明します。
 プレイヤーは探索時、ゲーム中に一度だけNPCに対し「恋」を宣言することができます。
 (「恋」を宣言したら判定が終了するまでカードを引くことはできません)

1.プレイヤーは手札から自身のアバターの性別に対応したスートのカードを好きなだけ場に伏せて出します。
 (男性は黒、女性は赤のスート、それ以外は全スート)

2.宣言されたキャラクターはカードを好きなだけ場に出します。
 (手札を持たないキャラクターの場合山札の一番上のカードを場に出します)

3.プレイヤーの出したカードの数値を比較し、宣言されたキャラクターの数値に難度を足した値より大きかった場合「恋」が成就します。
 (難度は0〜12で数字で伝えてもよい、2が標準的難度)
 一人のキャラクターに対して複数のプレイヤーが基準を満たした場合、最も数値の大きなプレイヤーだけが「恋」を成就させます。

4.異性(無性別は不可)と「恋」が成就したプレイヤーは1000EPを獲得し、キャンペーンの場合次回のゲーム以降に子供(子孫)が生まれます。

 子供(子孫)は以後同一キャンペーン内でマスターがNPCとして一切を管理します。
 親であるプレイヤーには子供に対し名前を付ける権利が与えられます。
 例え神であっても子どもの運命を支配することはできません。

 ※PC間での「恋」について
 特例としてマスターが許可し、二人のプレイヤー間で同意が得られた場合のみ、PC同士で「恋」を宣言できます。
 その場合判定の有無は当人ら同士で決定し、恋仲になった場合EPの獲得はありません。

 古来数々の神々や王が愛憎のもとに身を滅ぼしていきました。
 あなたがその一柱となりませんように。